2009年8月16日日曜日

松伯美術館 企画展 -山口華楊展-



閑静な住宅地 大渕池の岬に建つ松伯美術館…

決して大きな美術館ではないけれど 大好きなところです。
こちらは お庭に 色々な木々が植えられており
どの季節にお邪魔しても 楽しめるんですよ。
そして 主だった樹木には名札がかかっているのは
とても嬉しい配慮です。

まずは 入り口門のところの ノウゼンカズラ
夏空に 色が映えます



 駐車場の藤棚には 名残の藤が…
 けっこう 美しいんですよね
    

優しくカーブを描く小道が 美術館へ誘うんですょ
この雰囲気 大好き空間。

 
 
 
今 印象的なのは 芙蓉…
花言葉を調べてみると
 しとやかな恋人・繊細美・微妙な美しさ
 


 
そして 小道沿いの花梨の木 ふと見上げると
          おや? 実が!
花梨の実は 咳止めにいいんですよね
あたしも ホワイトリカーで漬けています。
 

そして 本日の展示は…

 企画展 京都画壇の画家シリーズⅢ
         山口華楊展(生誕110年)
   

明治32年 友禅彩色家の次男として京都で生まれる。
日本画家西村五雲の門下に入り、大正5年京都市立絵画専門学校に入学し、同年第10回文展に初入選を果たした華楊は、学校卒業後は五雲の勧めにより竹内栖鳳の画塾竹杖会に参加、さらなる研鑚を積む。昭和12年第1回文展に出品した「洋犬図」は政府買上となり、動物画家としての地位を確固たるものとする。戦後は、日展を舞台に明快な色彩で理知的な構図の動物画を追究し独自の画風を確立、昭和46年に日本芸術院会員に任命され、昭和56年文化勲章を受章した。(パンフより抜粋)

パンフレットより 作品を一部ご紹介します。

◆虎児(こじ) 昭和32年 個人蔵
 

なつっこい虎の子の瞳と 手の大きさが印象的な作品
きっと大きく逞しい虎になるんだろうなぁ~


◆凝視(ぎょうし) 昭和37年 京都市立洛央小学校蔵

華楊は 小学校のときから粘土細工が得意で
先生によく ほめられていたそうです。
描く前には粘土で立体的に作ってみたといいます。
色々な方向から動物を眺め そして制作に入ったとか…
このライオンの百獣の王らしい風格も 体のラインから滲み出てするような気がしました。

◆原生(げんせい) 昭和56年 名都美術館蔵
  
 
モンキーセンターに通ってスケッチをかなりしたという説明書き。
この猿は木の高いところにいてるのですが それを想像して書いたとのこと。
毛のふわっふわした感じや 瞳の優しげなところが印象的。
 
◆樹(き) 昭和38年 京都市立芸術大学芸術資料館蔵 
  
樹齢400年の木の大地に生える根の部分と力強い幹を中心に描いたものです。
奈良公園界隈には 樹齢が1000年以上のものも多くあります。生命の力強さと 時の流れをその存在から感じてしまうのですが この絵からも 大地から水を吸い上げる逞しさと 年月がヒシヒシと伝わってきました。
 
◆黒豹(くろひょう) 昭和35年 京都大学蔵
 
獲物の存在を確認し のっそりと頭をもたげた一瞬なのでしょうか。
絵の前に立ち 目が合うと 「ハッ!」とする緊張感を感じました。
 
18作品と 素描が5点 じっくりと一枚一枚に出会える企画展です。